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おすすめ書籍第十回

おすすめ書籍第十回

  • 2016年10月9日
  • 本の紹介者:檀 和秀先生(明石工業高等専門学校)

書籍情報

  • 書名   海洋生物学 地球を取りまく豊かな海と生態系
  • 著者   Philip V. Mladenov
  • 訳者   窪川かおる
  • 出版社  丸善出版 208頁
  • 出版年  2015年3月30日
  • 図書番号 ISBN978-621-08893-7

紹介記事

 地球に存在しているすべての生物が地球全体を形成している。現在知られている生物も全体の一部にすぎない。地球の中の気圏、水圏、土圏の中で生きている生物についても同じことが言える。その中の微生物の働きは大きいものであるが、十分には知られていないのではないだろうか。水圏に限っても淡水、海水の区別があり、またその中の海水に限っても、広い海洋の世界をすべて知り尽くしているわけではない。浅い、深い、水温の違い、塩分濃度の違いがあるところで生活する微生物の世界を詳しく知りたいとは思っている。
 微生物の働きに関連した海水浄化手法の中に礫間接触酸化法というのがある。徐々にではあるが地球上の海水汚濁も進んでいることは間違いない。後世にきれいな海を遺すため、微生物の力を利用した海水浄化が多く研究されている。持続可能な海水浄化手法が望まれていると思われる。現在、潮汐差という自然エネルギーを有効利用しつつ、海水中の微生物の働きも利用した海水浄化法について実験的に取り組んでいる。微生物が有機物を分解してくれるということはCODなどを測定することで確認できるが、実際微生物が有機物を分解しているところを私は目で見て観測したことはないのである。
 そんな時、この本に出会った。海洋生物学、海と生態系、海洋微生物の世界に興味をいだきこの本を開いてみた。訳者による海洋生物に関する参考文献も豊富に示されている。