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地球温暖化適応策検討小委員会 (2007.11 -)

地球温暖化適応策検討小委員会の目的

【背景】  IPCCの第4次報告書において地球温暖化にともなう海面上昇が18~59cmと、以前よりも幅狭く予測され、不確実度が低くなった。海面上昇による沿岸への影響と対策については土木学会編(1994)や省庁の報告書(例えば,地球温暖化に伴う海面上昇に対する国土保全研究会,2002)にとりまとめられ、深刻な影響と多額の対策費用を要することがわかっている。これを避けるには、地球温暖化を防止するように温室効果ガスの削減を実現することが必要で、安倍首相は2050年までに半減を提案し、ある程度の国際理解を得ている。しかし、排出削減の現状を見ると、京都議定書で規定された2008-2012年の第1約束期間中の6%削減の達成も難しい。また、半減が実現したとしても深刻な影響が予測される2℃の気温上昇が起こる可能性がある。排出削減の努力はできる限り続けるべきであるが、それでも地球温暖化を防止することができるかどうかは、依然不確実である。そして、有意な地球温暖化が起こってしまったあとからの対応では、投資が巨額になりすぎるためもはや対策そのものが不可能になる可能性もある。土木技術者は、それを看過し、対応が間に合わなかったのを投資不足のせいにすべきでない。地球温暖化が起こった場合にも備えて、無駄にならず必要な対応を前もってしておくべきである。

  地球温暖化にともなう主要な海岸での外力変化は、海面上昇と台風巨大化である。海面上昇のような常時の現象については、約20年周期の海水面変動を取り除くなどの問題はあるものの、現在時点までの傾向的変化は実測値が存在する。実測値、または実測値に基づく耐用年数内の予測値を使って設計を行えば、無駄な過大設計になることなく、構造物の更新にしたがって、海面上昇に徐々に適応することができると考えられる。他方、台風巨大化のような異常現象については、設計外力レベルをどのように変更するかは難しい問題である。しかし、海岸保全施設等の整備がある程度進捗した時点で、または、地域の重要性を勘案して、再現確率を小さくして安全度を上げることにより、異常現象に備えることにもつなげることができる。したがって、これも、無駄な過大設計にはならないと考えられる。

  更新にともなう改良再生や予防保全については、社会資本整備審議会・交通政策審議会計画部会基本問題小委員会における次期の社会資本整備重点計画(中間とりまとめ)にも盛り込まれた。環境省では、温暖化に対する適応の議論が始められている。しかし、地球温暖化への適応対策を実施に漕ぎ着けるには、さらに社会的認知や基礎固めが必要である。その第一歩を、土木学会海岸工学委員会で担うべきと思われる。 

【目的】  以上のような背景を踏まえて、土木学会海岸工学委員会に地球温暖化適応策検討小委員会を設置し、地球温暖化に伴う海面上昇や台風巨大化等に対する海岸分野における適応策について検討を行う。当小委員会では、検討の成果が海岸施設設計便覧や海岸保全施設の技術上の基準などに反映されることを視野に入れつつ、検討を進める。また、同時に温暖化・海面上昇の実態や影響に関する現時点での最新の知見を集約する。 

詳細: GobalWarmingAdaption-200711.pdf 

小委員会メンバー

地球温暖化適応策検討小委員会メンバー

会合 [1]: 2007年12月8日20071208-MeetingMemo.pdf

会合 [2]: 2008年2月9日20080209-MeetingMemo.pdf

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