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予備調査

データ記録箇所

3/16 港湾空港技術研究所・国土技術政策総合研究所(特別:TEC-FORCE) †

http://www.pari.go.jp/index.htm

第1班(富田p、鈴木p、野津p、水谷p、山路p、熊谷n、渡邉n)

  •  久慈港:8~9m(浸水高)、13.4m(遡上高) ※浸水高は建物内の水跡を測量

第2班(高橋p、菊池p、下迫p、岩波p、辰巳p、竹信p、根木n)

  •  釜石港:港内7~9m(浸水高)
  •  大船渡港:9.5m(浸水高)、10.8m(遡上高)
  •  綾里湾:24m(遡上高)

【痕跡・遡上】(3/27) 釜石湾

  • 横国大(佐々木,鈴木,早野)、東大(田島)

釜石湾周辺の調査を行いました. 湾奥,湾の南北両岸,同じ湾口防波堤内の平田漁港で 主に浸水高の計測を行いました.潮位補正はしていませんが 釜石港と平田漁港を分断する釜石観音付近で本日正午の海面から11.4m の痕跡高を計測しました.その他の海岸付近の浸水高は7~8m程度でした. 明日は,隣接する両石(湾口防波堤がない)にて同様の計測を行い, 大槌,山田の状況を見て計測が可能であれば実施します. 3日目は現在のところ,大船渡を計画しています.

【痕跡・遡上】(3/27) 陸前高田市

  • 第3チーム(岡安,高川,劉,下園)

壊滅状態の高田地区において, 残存している建物(多くありません)で津波高さを調べました. 海岸部の建物では津波は4・5階にまで達しており, 浸水高はTP+14-15m程度でした. 海岸から1km内陸部でも同様の高さが得られました. 津波は海岸から1.5km程度まで遡上しており, 最大遡上高はTP+18.5mと求まりました. 部分的にRTK-GPSが使えたため, 内陸部でも効率よく作業を進めることができました.

【痕跡・遡上】(3/28) 第1期第2チーム(横浜国大:佐々木,鈴木,早野;東京大学:田島)

  • 釜石の北の両石湾,大槌湾
  • 調査結果は潮位補正前の参考値
  • 両石湾南側津波防波堤(呼び方はよく分かりません)ゲート機械室への階段の痕跡高 17.7m(参考値)
  • 両石湾の湾奥正面の道路に面した斜面の遡上高 18.5m(参考値)
  • 大槌湾釜石市側の斜面の駆け上がりの遡上高 15.3m(参考値)
  • 大槌湾大槌町中心部の河川堤防近くの建物の浸水高 12.6m(参考値)
  • 同上近くの斜面の駆け上がり遡上高 11.8m(参考値)

両石湾,大槌湾ともに壊滅的で,大槌湾では釜石市側も大槌町側も自衛隊や消防 等による捜索を含む活動がまだまだ実施されている様子でしたので,そ のよう な場所を避け,迷惑のかからないと判断された場所で実施しました.ですので調 査点は少数に留まっております.両石湾にはゲートのある巨大な 防波堤があり ますが,釜石(港付近の浸水高で7~9m程度)よりもかなり大きな値が出ていま す.大槌湾には津波防波堤はないと理解しています が,12m程度の値で,これも 釜石よりかなり高い値です.海洋大・東大チームの陸前高田では海岸付近で確か 15m程度だったと思いますが,これら を見ると釜石が相対的にはかなり低い値と なっており,やはり湾口の津波防波堤が効いているのではないかと推察しており ます.

大槌町の市街を詳細に調べるのはまだまだ時期尚早の印象です.

【痕跡・遡上】 第3チーム2日目(3/28)

  • 陸前高田周辺部で調査 気仙川沿いの地域(4-7km上流)ではTP+9-11m, 広田湾西岸ではTP+13-14mの浸水高が得られました. これら周辺地域では未だ捜索活動が行われています.

2日間の調査により約40地点で浸水・遡上高が得られました. 3日目(3/29)は午前中に広田湾東岸の調査を行った後, 東京に戻る予定です.

【痕跡・遡上】青森県八戸市,岩手県洋野町,岩手県久慈市

  • 計測日:3/28
  • 計測者:北海道大学(西村,伊尾木)

八戸市八戸港 八太郎公園周辺

広い範囲で周辺家屋の主に1階部分が被害を受けている.複数の津波痕跡高はいずれも約5.8m(潮位補正後)であった.

八戸市八戸港 新湊周辺

大型の漁船が多数,岸壁に打ち上げられている.広い範囲で周辺家屋の主に1階部分が被害を受けている.複数の津波痕跡高はいずれも約5.5m(潮位補正後)であった.

八戸市鮫漁港

大型の漁船がいくつか,岸壁に打ち上げられている.海に近い周辺家屋の1階部分が被害を受けている.複数の津波痕跡高はいずれも約5.6m(潮位補正後)であった.

八戸市白浜海水浴場

道路沿いの施設や海の家などが,流されるなどの大きな被害.中央にある施設の2階監視室内部や山側斜面上の倉庫にあった痕跡の高さは約8.7m.山側の民家に続く道路脇に遡上限界(160m,9.3m)を示す浮遊物帯があった.

洋野町種市海浜公園

海産物加工場など漁業関係の施設と公園施設が高さ10m(海抜)の堤防の海側に点在する一帯が,津波で大きな被害を受けた.堤防の陸側の民家には被害なし(浸水せず).公園内の建物にあった津波痕跡高の高さはいずれも約5.5m(潮位補正後)であった.

久慈市久慈港

堤防内にある施設はすべて壊滅的.かろうじて残っている倉庫で推定した津波の高さは9.8m(潮位補正後).津波は高く続く堤防を越えて民家にも被害.堤防の上にな網などの漁具が乗っている様子が随所で確認できた.堤防の陸側の民家の被害は主に1階部分であった.

久慈市久慈湾

久慈港の南にある小さな漁港.港内の施設はすべて破壊され,道路沿いの民家の2階まで津波による被害あり.推定した津波の高さは9.6m(潮位補正後).海沿いの道路の山側は急斜面で,斜面途中の民家も一部被害を受けている.急斜面の一部に津波が駆け上がった痕跡がある.一面に表土が侵食され,地表に漁具や生活品,壊された家屋の一部が散乱していた.遡上限界には浮遊物帯がある.この高さは約18.5m(潮位補正後).変貌した斜面の様子は,昨年2月のチリ地震の際,津波が急斜面の一部を24mの高さまで駆け上がったチリの Constitucion の様子と似ている.

【痕跡・遡上】 大船渡湾と綾里湾

  • 3/29
  • 横国大(佐々木,鈴木,早野),東大(田島)

大船渡湾と綾里湾で調査を行いました.大船渡湾では湾奥の西側と東側およ び東側の湾中央,東側の津波防波堤の外側を測り,8m程度の値でした.綾里湾で はNHKの強い希望があったので,港空研で測っておられた場 所と同じ場所なので すが,オートレベルにより測定しました.その後,綾里湾の防波堤付近(壊れて いましたが)で測定し,比較的広い範囲に渡り痕跡 高が25mから29m程度の値が 出ていました.また,地元住民が津波の様子を撮影しており,非常にアバウトで すがが20mくらいの波が入ってくる 様子が見られました.明日は帰りますが,午 前中に綾里湾をもう少し調べる予定です.

【痕跡・遡上】岩手県宮古市,岩手県山田町

  • 計測日:3/29
  • 計測者:北海道大学(西村,伊尾木)

宮古市 宮古港

港内の建物ではビルの2階相当の窓ガラスはすべて割れ,3階にある窓やその上の屋根はほとんど無傷であった.こうした複数の痕跡から津波の高さは約8.5m(潮位補正後)と推測した.

宮古市白浜地区

地元の方に話を聞いた.津波は2波目が最も大きく,堤防を越えて集落を襲った.堤防の海側の斜面にある痕跡の高さは11.5mであった.ちなみに堤防の高さは7.6m.この地区では津波は堤防を越えることを想定して避難訓練を実施していたこともあり,怪我人すらなかった.堤防のすぐ陸側にある家屋はすべて流されたが,一番堤防に近い(約10m)古い蔵は無傷で内部もほとんど浸水しておらず,皆さん驚いているとのことであった.

山田町 漁港

岸壁の目の前にある冷蔵建物2階(倉庫の屋根より高い位置にあるので3階相当)で津波を見ていた方に会えたので話をお聞きした.第1波が突然やってきて(引き波なし)あっという間に倉庫の1階屋根の高さまで水位が上がり,堤防を越えて集落を襲った.津波はこの建物の2階の床面には達していない.2階床面に相当する高さは9.5m(潮位補正後).津波はその後大きく引き,続く第2波は第1はより低かったが堤防は越えた.ちなみに堤防の高さは6.2m.また堤防は何カ所も破られていた.堤防が広い範囲で決壊した場所の裏手にある斜面で浮遊物が散在している地点(この高さまで表土も削られている)の高さは10.0m(潮位補正後)であった.

以上です.宮古市と山田町では行方不明者や遺留品を捜索している住民が多くいらしたので,市街地の調査は行いませんでした.車で走っただけですが,ウォーターマークはいたるところに見られました.特に山田町では手つかずの場所がまだ多くあるようです.

【痕跡・遡上】陸前高田市暫定結果

  • 計測日:3/27-2​9
  • 計測者:第1期第3チーム(海​洋大,東大)東京海洋大(岡安,下園), 東大(高川・劉) 陸前高田市の沿岸部と気仙川沿いの内陸浸水地域,広田半島の分断地域(小友町),気仙町の一部について計測を行いました(添付の図を参照願います).結果を添付のExcelファイルに計測値(釜石潮位表での潮位補正済み)まとめましたので,よろしくお願いいたします.なお,RTK-GPSでの標高については,先のメールにありましたように,電子基準点の誤差が含まれている可能性がありますので,現時点では暫定値とさせていただきます.

被害概況と所感:

 陸山高田市街地については,海岸部での浸水深14~15m程度,遡上高が17~19m程度であり,地盤高10m程度までについては木造家屋がほぼ全壊流出となっていた.RC建物についても,海岸付近低地部では残存しているものがおおむね5階建て以上(もしくは公共大型施設)となっており,流速がかなり大きかったことが伺える.高田松原も全損し,砂堆も含めて確認ができない.  気仙川河口から3km弱の狭隘部の上流,竹駒町,矢作町については,狭隘部で水深が14m強から12m前後へと小さくなり,最遠到達点での標高はいずれも10m前後となっていた.しかし,いずれの地域も標高の低い場所では,木造家屋が全壊流出となっていた.この地域は直接海が見えず,狭隘部の幅も400m程度しかないため,津波に対する防備の意識は小さかったのではないかと推察される.  広田半島の付け根,小友町においては,陸前高田市川の広田湾からの津波と,大野湾側からの津波が中央部で合流し,半島を分断した形となったものと推察される.この地域は標高が比較的低く,中央部での浸水深が10m程度であったと推測されたが,計測対象物が全くなく,確定値が得られなかった.

計測可能エリアについて:

 今回は,陸前高田市街(高田町),竹駒町,矢作町,小友町の一部について計測を行ったが,気仙町,米崎町,小友町等については,依然捜索活動等が継続されており,さらにそれ以遠について,現地の状況を確認していない.  第2期以降については,まず米崎町,気仙町,その後広田半島等での計測が期待される.

データ

写真

その他

牛山航空写真解析結果