予備調査

データ記録箇所

函館市

  • 3/14 北海道大学・西村

海岸線約1㎞の範囲,内陸約400mまで冠水.冠水域内で,3側線を設けて ウォーターマーク,聞き取りなどから水位分布を測定.水位は, 海面上1.8~2.0m(潮位補正なし)でほぼ一様であった.建物被害は 朝市周辺で顕著で,地盤上1.5mまで浸水していた.防潮堤の高さは海面 から2.5mで,今回の津波は防潮堤がない地点から侵入した様子. なお,最大の浸水は,11日23:30ころだったとの証言あり.

函館南部,津軽海峡に面した住吉漁港

  • 3/14 北海道大学・西村

津波による水位上昇は2.0m(潮位補正なし).漁船や建造物への 被害はなし.周辺の集落は岸壁に守られていた.

森町,森港

  • 3/14 北海道大学・西村

津波による水位上昇は2.0m(潮位補正なし).19:30頃が最大で, この時は岸壁の低い部分を越えて,48m内陸まで浸水した. 漁船,家屋の被害なし.養殖ホタテには大きな被害.

3/15 北海道大学・西村

鵡川,静内,浦河,様似の各漁港において調査した. いずれも,岸壁から遡上限界までの測線を設け,痕跡と証言を元に,津波の高さ分布を調べた.

鵡川: 津波は19時頃が最大で,遡上限界は208m内陸,海面上2.7m(潮位補正なし.以下同じ). 漁港建物に残された痕跡の海面からの高さは2.6~2.9m.

静内(新ひだか町): 津波は19時頃が最大で,遡上限界は68m内陸,海面上1.7m.

浦河: 2測線で調査した.測線の間隔は約200m. 津波は第2波が最大で,遡上限界は48m内陸,海面上3.4m. 痕跡の海面からの高さは3.4m 海岸に近い倉庫では,地盤上185cmまで浸水したところもあった.

様似: 津波は夕方の2or 3波目が最大で,遡上限界は223m内陸,海面上3.6m. 建物に残された津波痕跡の海面からの高さは3.7m. 漁港付近では建物や家屋への被害が顕著で,多くの民家が地盤上1.0~1.3mまで浸水した.

【痕跡】 (3/15) 北海道大学西村

  • 鵡川,静内,浦河,様似の各漁港 冬島漁港: 浸水範囲は港内のみ. 遡上限界は約30m内陸,海面上1.8m(潮位補正なし.以下同じ). 証言に基づく岸壁上での津波の高さは海面上1.7m,

旭漁港: 浸水範囲は漁港内のみ. 遡上限界は約50m内陸,海面上3.5m.

笛舞漁港: 遡上限界は約75m,海面上4.1m. 漁港内の建物に残された痕跡の海面からの高さは3.5m.

えりも漁港および市街地: えりもでは,海岸線1.3㎞の区間に4測線設けて調査した 漁港内での測線では,遡上限界は約59m内陸,海面上3.2m. 建物に残された痕跡の海面からの高さは3.3m. えりも漁港の南西約800mの集落では,遡上限界は約68m内陸,海面上4.5m, 民家に残された痕跡の高さは海面上4.1m,

歌別漁港: 漁港背後の道路まで浸水, 遡上限界は58m内陸,海面上3.3m. 建物に残された痕跡の海面上の高さは3.5m.

東洋集落: 船揚場の斜路や海岸斜面で浸水した跡を確認. 船揚場の斜路では距離25m,海面から4.7mの高さまで浸水.

北大工学部海岸(渡部)計測方法:レベル+レーザー測距+GPS

  • 3/15 遡上高(全て潮位補正なし)
    • 鵡川河口左岸 3.19m
    • 沙流川河口(富浜樋門前)3.19m
    • 門別町漁組水産物荷捌所 3.35m
    • 静内橋の西の海岸 2.22m
    • 静内のビーチ(有勢内橋脇)2.18m
  • 3/16 遡上高(全て潮位補正なし)
    • 東静内のビーチ 1.59m
    • 三石漁港 1.25m
    • 荻伏漁港 2.20m
    • 浦河西端のビーチ 3.47m
    • 鵜苫漁港 2.00m
    • 留崎橋横 3.37m
    • 襟裳岬から7km西の海岸 4.4m (断面の変化する開水路を持つ複雑な地形を14m遡上した目撃証言と矛盾のない痕跡を確認したが,物理的に説明できなていない)
    • 襟裳岬漁港 3.90m
    • 百人浜海岸 4.00m
    • 黄金道路,浦路橋横 3.73m
  • 北海道太平洋沿岸痕跡水位_北大工学部.gif

【痕跡】 (3/17) 北海道大学西村

3月17日の調査結果 (いずれも測定時の海水面からの高さ)

歌露(東洋南部) ・デブリや土壌侵食が見られた高さ5.5m

東洋漁港(油駒) ・建物の痕跡:3.2m ・斜面上のデブリ:3.7m

えりも岬漁港 ・浸水家屋:4.5m ・土壌侵食:4.4m

庶野漁港 ・建物の痕跡:3.1m

目黒漁港 ・建物の痕跡:2.7m ・斜面上のデブリ:2.8m

音調津漁港 ・建物の痕跡:2.9m ・斜面上のデブリ:2.8m

十勝港(広尾) ・1.2㎞離れた2測線で調査. 建物の痕跡はいずれも4.0m

北大工学部海岸(渡部)計測方法:レベル+レーザー測距+GPS

  • 3/17 遡上高(全て潮位補正なし)
    • 大樹漁港(建物痕跡) 2.50m
    • 大津港西の海岸 5.8m
    • 大津漁港(建物痕跡) 3.65m, 3.73m (未だ20隻以上の漁船が岸壁上)
    • 厚内漁港(建物痕跡) 3.55m
    • 恋問 3.7m

遡上高は,えりも近隣が大きく4~4.5m.えりも近隣の漁港と十勝川河口付近の 大津漁港では岸壁へ乗り上げた漁船,水没自動車の引き上げが行わ れていま す.えりもから釧路までの海岸線では,広尾,十勝,白糠にかけて3m以上,えり もから苫小牧までの海岸線では,2-3.5m位でした.速 報詳細は,以下のHP(現 地調査結果)に書き込んでいます. http://www.coastal.jp/ttjt 避難状況のアンケートは,チリ沖津波の時,今村先生,黒崎先生からcecomに提 供頂いていたものを合わせた添付のものを資料し,函館から根室に 至る太平洋 岸で実施あるいは自治体に依頼してきました. 今回の津波は大小河川

【痕×】 3月18日:北海道大・理学部(中村)

痕跡は,後日の測量ができるようにしてあります.

  • 大樹町・旭浜 ・漁港内のみで浸水。集落被害なし。 ・漁協事務所・市場の建物に残された痕跡の高さは,地盤から130~150cm。 ・道路脇に流木あり,証言による遡上限界に一致。
  • 大樹漁港(浜大樹) ・漁港内のみで浸水。集落被害なし。 ・建物に残された痕跡の高さは,地盤から100~120cm。
  • 大津漁港 ・漁協事務所付近の痕跡,地盤から160~170cm ・港最奥部の鉄工所付近の痕跡,地盤から220~230cm ・鉄工所付近,漁船が道路縁まで打ち上がる。 ・港最奥部から市街地(北東)方向に約540m遡上。家屋への顕著な被害はなし。 ・港の北側の湿地へも一部浸水(デブリあり)
  • 白糠 ・漁港内のみ浸水。証言によると約70m遡上。 ・漁協事務所付近では地盤から80㎝まで水位上昇
  • 釧路漁港 ・漁協事務所付近では地盤から110㎝まで水位上昇 ・漁協北側の工場まで浸水。証言によると約110m遡上。

【痕跡】

  • 計測者:北海道立総合研究機構 環境・地質研究本部地質研究所

データ

写真

その他