まずfile津波被害調査のマニュアル.pdfに目を通してください.

主な調査道具

  • レベル
  • スタッフ(箱尺)
  • 距離計 (スケールテープやレンジング距離計)
  • レーザー距離計
  • 傾斜計
  • 方位計
  • ハンディGPS
  • カメラ (最近GPS付きを使うことをおすすめします)
  • ビデオ (インタビューを行う場合) 青色は,とりあえず購入する場合におすすめの調査道具

調査項目

基本事項

現地調査における津波高(遡上高さ,浸水深,港湾での水位上昇など)の測量について 一般的には以下のような方法で行われています.

  1. 津波高の痕跡(ウォーターマーク,漂着物,証言など)を見つける.
  2. 痕跡および周辺の写真を撮影する.
  3. GPSで位置を確認する.
  4. 痕跡の汀線からの高さと距離を測量する.(汀線の測量時刻を記録すること.) しかし,現時点では海に近づけないこと,また調査地域が極めて広くなることなどを踏まえると,上記の方法が難しい場合も考えられます.

その場合は,(4)は省略していただいて結構です. 後日,第三者が測量できるように,痕跡および場所の情報をしっかり残すようにお願いいたします.

追記事項

file津波被害調査のマニュアル.pdfへの追記事項 [#i0b02888]

信頼度

信頼度については,若干異なるバージョンが存在しています. 最近,原子力安全基盤機構により既往津波の痕跡データベースの整備が行われており,これに用いられている以下の定義の信頼度を我々も採用するのが良いと思います.

信頼度判断基準
A信頼度大なるもの。痕跡明瞭にして,測量誤差最も小なるもの。
B信頼度中なるもの。痕跡不明につき,聞き込みにより,周囲の状況から信頼ある水位を知るもの。測量誤差小。
C信頼度小なるもの。その他砂浜などで異常に波がはい上がったと思われるもの,あるいは測点が海辺より離れ測量誤差が大なるもの。
D信頼度極小なるもの。高潮,台風などの影響で痕跡が重複し,不明瞭なもの,等。

「港内津波高」と「微弱な津波」

従来の「遡上高」や「浸水深」に加えて,「港内津波高」と「微弱な津波」が2010年チリ津波から使われています. 港内津波高とは,港湾において,岸壁は越えてはいないが明確に高さが分かる津波を意味します. また,微弱な津波とは,常時波浪との判別が不可能な微弱な津波を意味します. (この地点では津波が来襲していないという情報も重要です.)

水準測量

通常,津波高計測は,その時点での平均海面を基準に潮位補正をかけておりますので,現時点での地盤からの津波高についてはおおよそ把握可能と考えます. しかし,予備的に,可能であれば水準点や三角点の計測も(計測可能対象があれば)行っても良いのではと思います.