海岸線約1㎞の範囲,内陸約400mまで冠水.冠水域内で,3側線を設けて ウォーターマーク,聞き取りなどから水位分布を測定.水位は, 海面上1.8~2.0m(潮位補正なし)でほぼ一様であった.建物被害は 朝市周辺で顕著で,地盤上1.5mまで浸水していた.防潮堤の高さは海面 から2.5mで,今回の津波は防潮堤がない地点から侵入した様子. なお,最大の浸水は,11日23:30ころだったとの証言あり.
津波による水位上昇は2.0m(潮位補正なし).漁船や建造物への 被害はなし.周辺の集落は岸壁に守られていた.
津波による水位上昇は2.0m(潮位補正なし).19:30頃が最大で, この時は岸壁の低い部分を越えて,48m内陸まで浸水した. 漁船,家屋の被害なし.養殖ホタテには大きな被害.
鵡川,静内,浦河,様似の各漁港において調査した. いずれも,岸壁から遡上限界までの測線を設け,痕跡と証言を元に,津波の高さ分布を調べた.
鵡川: 津波は19時頃が最大で,遡上限界は208m内陸,海面上2.7m(潮位補正なし.以下同じ). 漁港建物に残された痕跡の海面からの高さは2.6~2.9m.
静内(新ひだか町): 津波は19時頃が最大で,遡上限界は68m内陸,海面上1.7m.
浦河: 2測線で調査した.測線の間隔は約200m. 津波は第2波が最大で,遡上限界は48m内陸,海面上3.4m. 痕跡の海面からの高さは3.4m 海岸に近い倉庫では,地盤上185cmまで浸水したところもあった.
様似: 津波は夕方の2or 3波目が最大で,遡上限界は223m内陸,海面上3.6m. 建物に残された津波痕跡の海面からの高さは3.7m. 漁港付近では建物や家屋への被害が顕著で,多くの民家が地盤上1.0~1.3mまで浸水した.
旭漁港: 浸水範囲は漁港内のみ. 遡上限界は約50m内陸,海面上3.5m.
笛舞漁港: 遡上限界は約75m,海面上4.1m. 漁港内の建物に残された痕跡の海面からの高さは3.5m.
えりも漁港および市街地: えりもでは,海岸線1.3㎞の区間に4測線設けて調査した 漁港内での測線では,遡上限界は約59m内陸,海面上3.2m. 建物に残された痕跡の海面からの高さは3.3m. えりも漁港の南西約800mの集落では,遡上限界は約68m内陸,海面上4.5m, 民家に残された痕跡の高さは海面上4.1m,
歌別漁港: 漁港背後の道路まで浸水, 遡上限界は58m内陸,海面上3.3m. 建物に残された痕跡の海面上の高さは3.5m.
東洋集落: 船揚場の斜路や海岸斜面で浸水した跡を確認. 船揚場の斜路では距離25m,海面から4.7mの高さまで浸水.
3月17日の調査結果 (いずれも測定時の海水面からの高さ)
歌露(東洋南部) ・デブリや土壌侵食が見られた高さ5.5m
東洋漁港(油駒) ・建物の痕跡:3.2m ・斜面上のデブリ:3.7m
えりも岬漁港 ・浸水家屋:4.5m ・土壌侵食:4.4m
庶野漁港 ・建物の痕跡:3.1m
目黒漁港 ・建物の痕跡:2.7m ・斜面上のデブリ:2.8m
音調津漁港 ・建物の痕跡:2.9m ・斜面上のデブリ:2.8m
十勝港(広尾) ・1.2㎞離れた2測線で調査. 建物の痕跡はいずれも4.0m
遡上高は,えりも近隣が大きく4~4.5m.えりも近隣の漁港と十勝川河口付近の 大津漁港では岸壁へ乗り上げた漁船,水没自動車の引き上げが行わ れていま す.えりもから釧路までの海岸線では,広尾,十勝,白糠にかけて3m以上,えり もから苫小牧までの海岸線では,2-3.5m位でした.速 報詳細は,以下のHP(現 地調査結果)に書き込んでいます. http://www.coastal.jp/ttjt 避難状況のアンケートは,チリ沖津波の時,今村先生,黒崎先生からcecomに提 供頂いていたものを合わせた添付のものを資料し,函館から根室に 至る太平洋 岸で実施あるいは自治体に依頼してきました. 今回の津波は大小河川
痕跡は,後日の測量ができるようにしてあります.