被災者への配慮

  • 救出活動などの妨げにならないこと.調査中の事故に注意すること.
  • 市民や行政,メディアから,我々の調査が不謹慎な活動と誤解をされないように気配りすることも必要です.

安全面

  • 現地での救出救援を最大限優先して下さい。
  • 津波予報,原発の状況を加味し,最大限安全に注意して調査を進めて下さい.津波注意報が継続していて自主的にでも避難されている方がいるうちは,調査を控えて下さい。
  • 津波注意報が継続する地域では、海岸に近づいての作業を避けていただけるよう、お願いします。
  • 大きな余震とそれに伴う津波が来る可能性があります。調査時には、携帯ラジオをつけておいたり、緊急地震速報を携帯電話で受け取る様にするなど、常に余震や津波に対応できるように注意して下さい。
  • 現地調査の際は適した服装(ヘルメット,作業服,手袋)をご準備下さい。余震で倒壊する恐れのある家屋や構造物が多々あります。
  • 被災地周辺は食料品の調達が困難なので,食料・飲料は事前に準備した方がよいと思います。被災地の貴重な食料を調査者が買うのは迷惑となります。
  • 調査経路は,とても重要です.下記の安全情報等を参考にして,十分な計画のもとに行動して下さい。

安全情報

計算結果の参照

現地調査をする際、数値計算結果を参照しながら、合致するか否かを見ながら実行して下さい。 もし、合わない時には、入念な調査が必要です。

不一致の原因は、二つです。

  • 1.波源が原因。地震情報から判る断層モデルのほかに、小さい副断層などがあり、それが津波に大きく関係している可能性があります。いいかえれば、数値計算と実測値の差にこそ、今度の津波の特性があります。これを明らかにするには、こうした差を確かめる事が重要です。奥尻の津波の例では、初松前、奥尻島北西岸の痕跡調査がこれに当たります。後者は波源モデルの修正に、前者は島端を回り込む津波の挙動を明確にする事に役立ちました。
  • 2.地形データの精度の問題。計算で用いた地形データが最新でない事、或いは地形のディジタル化の問題などが原因でしょうから、ちょっと細かくその周辺を調べると、今後の計算技術の向上に非常に役立ちます。

(2011/03/16 首藤先生)