調査にかけられる時間と調査範囲,そして得られるデータのパフォーマンスは,それぞれの現場で異なると思いますので,各自でご判断していただければと思います. その際,後でも得られる情報とそのタイミングでしか得られない情報の見極めが重要になるかと思います.
また,暫定的な津波計算結果についても目を通してから調査してください.
現地調査における津波高(遡上高さ,浸水深,港湾での水位上昇など)の測量について
一般的には以下のような方法で行われています.
しかし,現時点では海に近づけないこと,また調査地域が極めて広くなることなどを踏まえると,上記の方法が難しい場合も考えられます.
その場合は,(4)は省略していただいて結構です. 後日,第三者が測量できるように,痕跡および場所の情報をしっかり残すようにお願いいたします.
従来の「遡上高」や「浸水深」に加えて,「港内津波高」と「微弱な津波」が2010年チリ津波から使われています. 港内津波高とは,港湾において,岸壁は越えてはいないが明確に津波の高さが分かる場合のデータです. また,微弱な津波とは,常時波浪との判別が不可能な微弱な津波を意味します. (この地点では津波が来襲していないという情報も重要です.)
信頼度については,若干異なるバージョンが存在しています. 最近,原子力安全基盤機構により既往津波の痕跡データベースの整備が行われており,これに用いられている信頼度を我々も採用するのが良いと思います. 後ほど,原子力安全基盤機構の岩渕さんに投稿してもらいますので,少しお待ち下さい.
調査後のデータの整理として,最近では国土地理院の基盤地図情報閲覧サービスやGoogle earthのkzmファイルなどを用います. 先の話ですが,ご参考までに.
通常,津波高計測は,その時点での平均海面を基準に潮位補正をかけておりますので,現時点での地盤からの津波高についてはおおよそ把握可能と考えますが,予備的に,可能であれば水準点や三角点の計測も(計測可能対象があれば)行っても良いのではと思います.