論文番号 37

著者名 関本 恒浩

論文題目 非線形拘束波の波数周波数スペクトルの推定に関する研究

討論者 喜岡 渉(名古屋工業大学)

質疑

 長周期波の拘束波と自由波をピーク波数で分離するという興味ある方法を提案されていますが,その簡便的な分離法の妥当性は明らかではありません.今後,検証するためのkfスペクトル分解等をお考えですか.

回答

 ご指摘のとおり,現状では拘束波と自由波の方向スペクトルを分離する簡便的な手法として,波数スペクトルにおいて拘束波のピークと自由波のピークの中央で分ける方法を提案し,適用の可能性を示した段階である.結論で述べたとおり,波数周波数スペクトルの分解能が重要であり,まずは波数周波数推定手法の検討や波高計アレイの最適配置法について今後詳細に検討する必要がある.ここで提案した簡便手法の検証については,長周期波制御や反射波吸収制御など十分に制御された条件のもとでの多方向造波水槽内における水理実験を行うことを考えている.本来であれば現地観測データによる検証が望ましいが,広い範囲で水深が一様に近く,かつ十分長い時間定常と考えられるようなデータが必要であることから,現地での検証は実験室での検証が済んだ次の段階と考えている.

 また現在,同一地点に設置された計測器による波動量(流速や水圧)を用いる方法についても検討中であるので,今後機会があれば報告したいと考えている.

 

目次に戻る