論文番号 35

著者名 仲座・浜元・津嘉山・日野

論文題目 サーフビートの発生メカニズムに関する研究

討論者 土木研究所・佐藤慎司

質疑

 図−5の見方が分からない.計算値は何処に示してあるのか?

計算モデルは従来の物と同じで新規性は全く認められない.

回答

 図−5でcal.と付記してあるのが計算値であります.

 ここで示した数値モデルに関しては,新規性を求めたり,あるいは期待したりしておりません.むしろ,基礎的な基礎式系でどこまで話しを説明し得るか,また外れるのはどこかを検討するのみです.図−5は,砕波に伴う質量輸送量を正確に見積もる必要があることを示唆していると言えます.砕波帯内の質量輸送量を正しく実測した例は未だ他に見いだされません.砕波を特徴づける気泡混入,乱れや大規模渦の発生,これらこそが砕波がゆえに生じた新たな物理現象であり,屈折や回折のように単なる波高変化のみでなく,砕波であるがゆえに作り出される現象である.これらを明らかにせずして砕波帯内の長周期波の議論を行うのは,想像的で定性的な議論になりかねないと考えております.

 

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