論文番号 203

著者名 加藤史訓,佐藤愼司,田中茂信

論文題目 波浪による海岸堤防周辺地盤の間隙水圧変動

討論者 間瀬 肇(京大、防災研)

質疑

 有効応力変動の波形がdouble peakになっているが、これは重複波圧の影響が顕著に出ているのか。

回答

 御指摘のとおり、堤防模型前面では重複波の腹が形成されており、有効応力変動がdouble peakになるのは重複波圧の特性によるものと考えられる。

 

討論者 酒井哲郎(京大、工学研究科土木)

質疑

 不透水矢板の方がその背面での間隙水圧変動と前面での間隙水圧変動との位相差が少なかった理由として、矢板を回っての位相遅れが1周期あり、1周期遅れで前面の水圧変動と位相が一致したとのことですが、このことは、矢板の長さが異なれば前面の水圧変動との位相差が変わって、透水性矢板と比べて位相差が大きくなることもあり得ることを意味するのでしょうか。

回答

 矢板前面での間隙水圧変動に対する位相遅れは、間隙水圧の伝達経路が長くなるにつれ大きくなるが、地盤の圧密係数等で定まるある長さを境にして小さくなり0に近づいていく。このことから、矢板の長さにより間隙水圧の伝達経路が変わるので、条件によっては不透水性矢板の方が透水性矢板と比べて位相差が大きくなることもあり得ると考えられる。

 

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