論文番号 19

著者名 津嘉山・河野・仲座・宮里

論文題目 リーフ上の波浪データに基づく砕波減衰項の検討

討論者 横浜国立大・合田良美

質疑

 図−2,3の波形を見るとf=0.07Hzの主成分がSt.4で明瞭なのに,図−4で全く見えないのはどのような理由によるのでしょうか.また,」スペクトル密度の値が図−7などと1オーダー違っています.

回答

 図−2,3では,1観測の波形の変化を示しており,図−4では,5個の観測データの平均を示しています.結果的ですが,5個の平均で見れば,観測点4における波形は観測点5,6,7とどうように,かなり砕波変形をうけていることを示しています.

 

討論者 名古屋工業大学・喜岡 渉

質疑

 長周期も含む砕波帯のエネルギー減衰を検討するためには,長周期での減衰の与えかたのみならず,汀線からの反射波も考慮できるような計算モデルを用いる必要があるのでは.

回答

 ご指摘のとおりと考えます.ここでは,エネルギーカスケードダウンの過程を調べるために,周波数空間で減衰を議論している.KdV方程式までいかず基のブシネスク型の波動方程式を用いて,周波数空間での議論を行うことも可能であるが,話しが非定常になり難しくなるため,ここでは逆に入射波高が比較的小さく,リーフ上での長周期波が小さい場合のデータを用いております.さらに,減衰項の議論は周波数が0.01Hz以上の場合を中心に検討しています.先生のご指摘の反射波による見かけ上のエネルギー増大は,図−9で0.01Hz以下の所に現れています.

 

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