論文番号 119

著者名 宇多 高明、加藤 憲一、山形 宙

論文題目 底質粒径集団の変化からみた海底谷への土砂流出実態調査

討論者 伊藤 仁志(建設省)

質疑

 (1)富士海岸のNo.75付近では、沖向きの土砂流出があると結論づけているが、定量的な土砂流出量を把握しているかどうか。

回答

 (1)富士海岸では年間10万m3の土砂が沖へ流出しています。この数字は海浜の侵食量から算定したものです。しかしこれほどの土砂が、当該海岸のどの場所から沖へ流出しているかは不明です。

質疑

 (2)また、このような海底勾配が急で土砂流出が著しい海岸では、どのような対策、工法が適していると考えているのか。

回答

 (2)海底勾配が急な海岸における対策として考えられるものは以下のものがあります。    

 対策(1):礫養浜

  これは現在も実施されていますが、この礫養浜を将来にわたり、永年的に実施するものです。

 対策(2):ヘッドランド(埋設型)

  現在の海浜にヘッドランドを沖方向へ施工するのではなく、現在の汀線付近にヘッドランドのヘッド部(横堤)が位置するようにし、縦堤を海浜部に埋設するようにして施工するものです。海浜が侵食されると汀線が後退しますが、ヘッドランドが現れ、複数のヘッドランド間で安定海浜が形成されるようにするものです。

 

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