序文 (本間 仁,昭和43年11月)

本年の海岸工学講演会を福岡で開催できたことにつき,まず九州大学工学部
水工土木学科はじめ関係諸官公庁の後援に対して感謝したい.

本護演会もはや第15回を迎えることとなり,発表される講演の数も年々増加
して,本年は実に57編に達した.この事実に対してわれわれは海岸工学の発
展をともに喜ぶものであるが,さらに将来の進展を考えると,会の運営,印
刷物の刊行などに関連して一般の検討が加えられるべき時が来ているように
思う.

今日までの海岸工学は主として沿岸の開発と防災に関連するものであったが,
開発が進むとともに今後は海岸の自然保護の問題も当然起こって来るであろ
う.他方において海岸工学の面からもこの問題に関心を向けて行かねばなら
ないであろう.

本年はロンドンで第11回海岸工学国際会議が開かれたが,さらに明年は米国
で第2回海洋土木工学会議も予定されている.これらを通してわれわれはわが
国海岸工学の今後の進路を考えて行かねばならないと思う.

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